不妊の定義と命の継承を真剣に考える岐路に立った日本の今

不妊の医学的な定義と日本のカップルを取り巻く妊活事情とは

では一体、どのような状態のことを「不妊」というのでしょうか。

 

日本産科婦人科学会では、「妊娠を望む健康な男女が、避妊をしないで夫婦生活をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないもの」と定義しています。

 

そしてこの「一定期間」について、これまでは「1年から3年と諸説あるが、2年というのが一般的である」とされてきたのですが2015年になって欧米諸国と足並みを揃える形で「1年が一般的」と短縮決定されています。

 

 

健康なら2年以内に約90%で妊娠可能の一方で不妊治療患者は増加傾向に

日本のカップルの妊活事情

日本のカップルの妊活事情

医学的には、健康なカップルであれば“定期的”かつ“避妊せず”に夫婦生活を続けていれば、 通常は、1年で約80%、2年もあれば約90%のカップルが妊娠成立できるといわれています。

 

しかし、現在の日本では不妊症に悩むカップルの数は10組に1組とも、6組に1組ともいわれ、何らかの不妊治療を受けている人はおよそ50万人もいると推測されています。

 

この数字から見ても分かるように、近年の日本では不妊に悩む人の数はどんどんと増えているのです。

 

高度不妊治療によって誕生した命は累計38万人に

その要因には、もちろん体質や元々の生殖器の疾患といったものも含まれます。

 

ですがそれに加えて、近代日本の特徴ともなってきている女性の積極的な社会進出に伴う晩婚化や、それに伴う子宮内膜症などの女性疾患の増加も大きな因子となっています。

 

また男女ともに社会で受けるストレスが増加したことによって、男性は勃起障害やセックスレスになってしまうなど、生殖年齢の男女の様々な部分に多様な影響がもたらされていることが考えられます。

 

2013年度だけを見てみても、ARTによる年間の出生数は42,554人となっているようです。

 

この数字は、その年の出生児全体のうち約24人に1人が高度不妊治療によって誕生したということの裏付けとなります。

 

また、1980年代より日本でART治療が行われるようになってから2013年までの時点で、治療によって生まれた子供の累計が384,304人になったということです。

 

これらの数字と現状は、少子化問題も深刻になってきた昨今の日本において、“次世代へ命を継承する”ということを今一度、しっかり立ち止まって考え直さなければいけない岐路に差し掛かっているのではないかと、私は思います。

 

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