体外受精が適応となる条件と体外受精治療のメリットとは

男女ともに不妊因子が重度な場合に選択される体外受精という治療法

不妊治療のステップアップとして、人工授精で思うように結果が出なかったカップルに対して勧められることとなる体外受精ですが、一方で器質的な不妊因子が見つかったカップルには、初期の段階でこの体外受精が行われることもあります。

 

一体その適応には、どのような条件があるのでしょうか。

 

 

妊娠成立に必要なシステムに明らかな障害があれば適応となる体外受精

体外受精治療のメリットについて

体外受精治療のメリットについて

まずは、女性側の要因です。

 

近年早い段階で体外受精にステップアップされる要因の一つとなっているのが、“女性の高齢化”です。

 

治療開始の年齢がすでに高く、加えて過去に子宮内膜症や卵巣周囲の炎症といった既往歴がある場合には、タイミング法や人工授精を飛び越えて直接体外受精を行う場合が増加しています。

 

また両側の卵管閉塞や、手術歴があることなどによる骨盤内癒着が顕著に認められた場合にも人工授精などを経ずに体外受精が選択されることになります。

 

また、抗精子抗体が認められ人工授精などでは精子を受け付けないという場合にも体外受精が選択されることになります。

 

続いては、男性側の要因です。

 

精子減少症や無精子症、精子無力症などの精子の受精障害が認められ、人工授精でも妊娠できなかったという場合です。

 

精子の機能的な不妊要因が認められ、その程度も重度であると判断された場合には人工授精は行わずにそのまま体外受精が適応されることもあります。

 

一周期に可能性が1つじゃないという安心感も一つのメリット

続いては、体外受精という治療におけるメリットやデメリットについても、いくつかご紹介します。

 

まずはメリットからです。

 

体外受精に治療法を移行することでそれまでの治療法と明らかに異なってくる点は、

  1. 卵胞期の卵巣への刺激のレベルを選べることと
  2. 体外での受精後、体内に受精卵を戻す際の培養の期間を選択できる

ことだと思います。

 

この2点においてのメリットとしては、まず卵胞期の卵巣刺激について高刺激となる「刺激周期」を選択すると、採卵できる卵子が複数になるため成熟した卵子が得られやすくなり、上手くいけば良質な卵子が複数個確保できるということです。

 

このことは、一周期あたりの良質な受精卵の数の確保にもつながるので、仮に1個しか採卵できなかった場合に“1個しか受精卵を作ることができず、しかもその成長が途中で止まってしまった”となる場合にも、高刺激による複数の採卵をしていれば、他の受精卵に望みをつなぐことができるという精神的な保険につなげることができるのではないかと思います。

 

もしも順調に成長している受精卵が複数個できた場合には、凍結胚として保管しておくことができるので、その後の第2子、第3子への希望にもつながるといった将来的な家族設計も考えることができるでしょう。

 

着床率の上昇も期待できる!受精卵を戻すタイミングを選べるというメリット

もう一つの受精卵の移植の時期を選択できることについてのメリットとしては、胚盤胞移植を選択すれば初期胚移植に比べて高い着床率が期待できるという点です。

 

また不妊治療では特に女性にとって「如何に若い年齢のうちに妊娠するか」が重要となってきます。

 

甲状腺ホルモンの持病やその他の持病を持っている女性にとって、その治療を優先させるために卵子の老化を黙って見送るということがとても歯がゆい時間となることもあります。

 

ですが、事前に良質な凍結胚を作成しておいて保存しておいた上で、体の調子を整え万全の態勢で受精卵を迎え入れることができるという安心感を持てることも、一つのメリットと言えるのではないかと思います。

 

次の記事では、体外受精にまつわるデメリットをご紹介したいと思います。

 

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